専門看護師について

日本にある看護師の資格として、認定看護師の他にもう1つ、専門看護師という資格があります。

専門看護師(Certified Nurse Specialist : CNS)とは、日本看護協会が専門看護師認定試験に合格することで認定する資格のことで、困難で複雑な健康問題を抱えた個人や家族、また所属する集団、地域に対して、より質の高い看護を提供するために十分な知識と技術を備えている、専門看護分野における卓越した看護実践能力がある看護師のことを指しています。

現在のところ、専門看護師が活躍している専門看護分野は、がん看護、精神看護、地域看護、老人看護、小児看護、母性看護、慢性疾患看護、急性・重症疾患看護、感染症看護、家族支援の分野となっています。

なお、感染症看護は、以前は感染看護、また急性・重症者看護はクリティカルケア看護、慢性疾患看護は成人看護(安政)とそれぞれ言われていましたが、2007年7月13日から、現在の呼び方に変更されました。

これは、医療機関が公告をする際に、看護師の専門性を示すにあたって、より分かりやすい名称の方が適していると判断されたからです。

また、今後さらに追加されていく看護分野として、在宅看護があります。

現在は養成課程に学生が所属している段階ですので、修了者が誕生し、専門看護師認定審査に合格した時点で、新たに追加される看護分野になります。

このようなそれぞれの分野で活躍している専門看護師は、2011年1月17日現在で全国に612名と、まだまだ非常に少ない数です。

また、地域によって人数の格差があるという課題もあります。

最も専門看護師数が多いのは、東京都の125名で、続いて神奈川県の71名、兵庫県の70名、大阪府の63名となっています。

しかし一方で専門看護師が一人もいないという県もあり、それは秋田県や山形県、徳島県、宮崎県、鹿児島県の5県となっています。

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専門的で高度な水準の教育

全体的に、九州や東北地方などで専門看護師の数が少ない傾向にあります。

また、専門看護師のいる専門分野にも、大きく人数の偏りがあります。

もちろん、すべての看護分野で同時に専門看護師の数が認定され始めたのではなく、時期を経るにつれて専門看護師がいる分野が増えてきているので、一概に単純な数の比較はできませんが、がん看護の専門看護師数は250名に対して、感染症看護や家族支援は一ケタの人数です。

こういった人数の偏りがなくなり、日本全国どこでも高い水準の看護ができる専門看護師から看護を受けられるようになるということが、専門看護師の今後の課題といえるでしょう。

とはいっても、専門看護師になるにはその道のりは長く、専門的で高度な水準の教育を必要とします。

専門看護師の認定審査を受けられる条件としては、以下のようなものがあります。

まずは日本国の保健師もしくは助産師、看護師の免許を有していることです。

そして、所定の教育を終えていることという条件があります。

所定の教育とは、看護系大学大学院修士課程修了者で、特定の専門看護分野の単位26単位を取得したもの、もしくは看護学以外の関連領域の大学院等を修了したもので、看護系大学大学院修士課程において必要単位を取得したもの、外国で同等以上の教育を受けたと認められるもの、ということが所定の教育の条件です。

また他にも、これらの高度な知識の他に、実践経験が必要とされています。

その実務経験とは、看護師や保健師、助産師の資格取得後、実務経験が5年以上あり、そのうち通算3年以上は特定分野の実務経験であること、さらにそのうち6か月以上は、専門看護師に必要な所定の教育課程修了後の実務経験であることというのが、その条件です。

また必要な教育課程修了後の実務経験という点にも、条件があります。

それは、専門看護分野において、個人や家族、および集団に対する直接的な看護実践であること。

また、専門看護分野において看護職を含むケア提供者全体に対するコンサルテーションを行なっていること。

さらに、必要なケアが円滑に行われるための、保健医療福祉に携わる人々の間のコーディネーションを行なっていること。

その他、個人や家族、集団の権利を守るための、倫理的な問題や葛藤の解決を図る倫理調整を行なっていること。

ケアを向上させるための、看護者に対する研修会、研究指導、及び講演会等での活動を含む多様な教育機能を果たしていること、専門知識及び技術の向上、並びに開発を図るための実践の場における研究活動を行なっていること。

の以上6点になります。

これは、専門看護師が担うべき役割6点と同等のものです。